KAME プロジェクト便り

山本和彦
IIJ 技術研究所
BSD Magazine No. 9 (2001/09)


第9回 IPv6 ShowCase と課外活動

今回は、IPv6 ShowCase と、KAME の課外活動について報告します。


IPv6 ShowCase

NetWorld+Interop 2001 の中で、 昨年に引き続き IPv6 ShowCase という IPv6 関連のブースを出展しました。 ここのページ に載っている写真からも分かるように、 大盛況でした。

IPv6 ShowCase は、以下に示す 3 つの柱からなっています。

  1. 最新の製品による相互接続性のデモ
  2. プレゼンテーション
  3. ポポちゃんの部屋

相互接続性のデモで昨年と際立って異なるのは、

です。 特に、 日立 GR2000、 NEC IX5000、 エリクソン AXI 462、 Zebra on KAME の 4 つの OSPFv3 の実装を相互につないだことは、 意義が大きいと思います。

今年のプレゼンテーションは、マイクロソフト、NEC、日本エリクソン、日立製 作所、NTT コミュニケーションズ、KDDI、シスコシステムズ、富士通という スポンサーからの発表と、 IPv6 の一般に関する発表がありました。 どの回も立ち見で通路まで埋め尽くされるほどの盛況ぶりでした。

「ポポちゃん」とは、熊のぬいぐるみの名前です。 今年の目玉は、ポポちゃんの部屋と称し、 IPv6 を喋る家電などを集めて展示したことです。

これまで、IPv6 は絵にならないことが悩みでしたが、 それはもう大した問題ではなくなりました。 IPv6 はインターネットそのものですから、 夢色のインターネットを演出すれば、 それは IPv6 を表現したことに他なりません。

紙面の関係上、ポポちゃんの部屋に関し、2 つのデモのみを報告します。

まず、IPv6 を喋る Panasonic のテレビ。 チャンネルを変えるなどの操作を携帯電話からができるようにしました。 僕の夢である、携帯電話で制御できるビデオまで、もう少しといった感じです。

次に、マイクロノードという温度計。 これはサーバであり、 温度情報を発信します。 会場内に配置した多数のマイクロノードから情報を集め、 温度分布の図を作成するデモをやりました。 1 つの情報にはあまり意味がなくても、 たくさん集めると価値がある生まれる例の 1 つです。

IPv6 ShowCase では、IPv6 の夢と現実性を強くアピールできたと信じます。


ジャイアン祭

core メンバーは、毎年春に BBQ を楽しむことにしています。 今年は、IPv6 ShowCase の打ち上げも兼ねまして、 6月12日に丹沢湖のそばにある「ひだまりの里」に行ってきました。

鋭い読者の方はお気付きでしょうが、平日です。 週末のみを候補にすると、メンバーの都合が合わないことが多いので、 有給休暇を取るのが恒例となっています。

この BBQ には、「ジャイアン祭」という名前がついています。 この奇抜な名前の由来を説明するには、第1回目の BBQ に触れる必要があるでしょう。

それは、2 年前の7月5日、国営昭和記念公園のことでした。 BBQ を楽しんだ後、カードゲームの時間になりました。

でも、ただカードゲームをするのではありません。 目的はあくまで罰ゲーム。世界で一番臭いと噂される「シュールストレミング」、 スウェーデンが誇るの魚の缶詰を、 敗者は食べなければならなかったのです (こんなことを考えるのは、角川さんしかいません)。

息詰まる攻防のあと、缶を空ける名誉に輝いたのは井上(良)さんでした。 鼻をつまみながら、井上(良)さんが試食し、次に恐いもの見たさで僕が食べました。 塩辛の味にプロパンガスの臭い。

そして「食べないと core をクビにする」という僕の言葉により、 みんな食べるはめになりました。 それまでのいろいろな経緯と合わせ、 僕のニックネームが「ジャイアン」に決まったのは言うまでもありません。

この模様は、角川さんの日記ページに詳しく載っています。

今年の BBQ は、昨年と同じ場所だった こともあり、滞りなくすみました。スペ アリブが美味でした。

なお蛇足ですが、ジャイアンは、神明さんを「スネ夫」、 坂根さんを「ドラえもん」と呼んでいます。