[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2 メッセージを表示する

(Mew が起動中でも、起動中ではなくても) ‘M-x mew’ と入力すると、Mew はメッセージを以下のように一覧表示します。

* 03/12 Hidenori Ohta  今週末                    |日曜にストーンマジック
 M03/14 ももちゃん     能登の写真                |この前撮った写真を添付
  03/15 Neat Sumikawa  Re: ワイン                |じゃぁ、水曜日に例の店

これを Summary モードといいます。ここでは、主に Summary モードでのメッセー ジの読み方について説明します。

上記の例のように Summary モードは、マーク、データ型(Mew が付けるマーク)、 日付、差出人、Subject:、本文から構成されています。

Summary モードを消去する方法については、See section 一休み を参照して下さい。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.1 読み方の基礎

メッセージを上から順に読んでいくのであれば、‘SPC’ を適宜押すだけで す。簡単でしょ?

しかしそれだけではあんまりなので、以下にページを操作する基本的なコマンド を示します。

SPC

メッセージを読み進める。つまり、メッセージを表示し、スクロールさせ、他の メッセージに移動して表示する。カーソルが移動する方向は、 See section Summary mode を参照のこと。

C-uSPC

メッセージを先頭から再表示。

DEL

現在のメッセージを下にスクロールさせる。不必要なヘッダフィールドは、ウイ ンドウの上に隠れている。よって、‘DEL’ を入力すると、それらが現れる。

RET

現在のメッセージを 1 行上にスクロールする。

M-RET
-

現在のメッセージを 1 行下にスクロールする。

C-n

下の行へ移動。

C-p

上の行へ移動。

n

下方向に移動し表示。対象となるのは、パート、‘*’ マークの付いたメッ セージ、マークの付いていないメッセージ。

C-un

下方向に移動し表示。対象となるのは、‘*’ マークの付いたメッセージ、 マークの付いていないメッセージ。

p

上方向に移動し表示。対象となるのは、パート、‘*’ マークの付いたメッ セージ、マークの付いていないメッセージ。

C-up

上方向に移動し表示。対象となるのは、‘*’ マークの付いたメッセージ、 マークの付いていないメッセージ。

j

入力された行番号に従ってその行へ移動。

C-uj

入力されたメッセージの番号に従ってその行へ移動。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.2 MIME を表示する

マルチパートを読むのは別に大変なことではありません。今まで通り、 ‘SPC’ を押していけばよいだけです。

マルチパートのメッセージは、以下のように日付の左に ‘M’ というマーク が付いています。

* 03/12 Hidenori Ohta  今週末                    |日曜にストーンマジック
 M03/14 ももちゃん     能登の写真                |この前撮った写真を添付
  03/15 Neat Sumikawa  Re: ワイン                |じゃぁ、水曜日に例の店

M’ マークの付いたメッセージで ‘SPC’ を押すと、ヘッダを Message モードに表示すると共に、以下のように Summary モードでマルチパー トの構造を簡素に表示します。

* 03/12 Hidenori Ohta  今週末                    |日曜にストーンマジック
 M03/14 ももちゃん     能登の写真                |この前撮った写真を添付
B    2  Image/Jpeg                   写真1                    noto1.jpg
Q    3  Application/Postscript       能登の地図               map.ps
  03/15 Neat Sumikawa  Re: ワイン                |じゃぁ、水曜日に例の店

もし、パート 1 が Text/ なら、Summary モードにはパート 1 は可視化されず、 そのかわりパート 1 がヘッダと共に Message モードに表示されます。

マルチパートの各行は

から構成されています。Content-Description: はパートに対する Subject: と 考えていいでしょう。この表示は Draft モードの添付領域とほとんど同じです。

SPC’ や ‘n’ でパート 2 へ進めば、そのパートがデータ型に応じて 表示されます。たとえば、Text/Plain なら Message モードで、PostScript な ら "ghostview" で表示されます。

n’ や ‘p’ は、パート部分まで含んだ行を移動することに注意して 下さい。パート部分を飛ばして下のメッセージを表示するには ‘C-un’ と 入力して下さい。また、パート部分を飛ばして 1 つ上のメッセージを表示する には ‘C-up’ と入力して下さい。

Mew は、MIME を再帰的に処理します。以下は転送されたマルチパートのメッセー ジの例です。

 M03/15 かずくん       Fw: 能登の写真            |写真が送られてきたので
     2  Message/Rfc822               能登の写真
B    2.2  Image/Jpeg                   写真1                  noto1.jpg
Q    2.3  Application/Postscript       能登の地図             map.ps

(メモ) テキスト以外のデータを、シングルパートとしてメッセージに格納する のは、書式としては間違いではありませんが、お勧めできません。マルチパート を作成し、そのパート 1 に説明のテキストを、パート 2 にテキスト以外のデー タを入れる作法をお勧めします。

テキスト以外のデータが本文に直接格納されているメッセージに対し、Mew はこ れをあたかもマルチパートのように表示します。

このように MIME の構造は複雑になりうるので、解析するのには時間がかかる場 合があります。しかし、Mew は次に読まれるメッセージを予想し、ユーザが現在 のメッセージを読んでいる間に、次のメッセージをあらかじめ解析しておくこと で高速性を実現しています。解析されたメッセージは、しばらくの間保存されま す。

メッセージの終わりの部分がはっきりと分かるように、Mew はメッセージの最後に "[End of message]" という文字列を表示します。また、パートの終わりでは、 "[Message is continued]" という文字列を表示します。これらの文字列はそれ ぞれ、‘mew-end-of-message-string’ と ‘mew-end-of-part-string’ で指定できます。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.3 MIME の解析を制御する

メッセージの解析を制御するために、以下の変数が用意されています。

mew-file-max-size

解析するメッセージの大きさの上限。メッセージの大きさがこの値以下なら、解 析し表示する。越えているなら、解析せずに生のまま表示する。初期値は 100000 バイト。

mew-header-max-length

解析するメッセージのヘッダ長の上限。ヘッダの行数がこの値以下なら、メッセー ジを解析して表示する。越えているなら、解析を途中で止めてメッセージを壊れ た形で表示する。初期値は 100 行。

mew-decode-broken

規格違反のメッセージを解析する際に、寛容になるか否か。‘t’ なら寛容 に、‘nil’ なら厳密に解析する。寛容に解析する際に規格違反があった場 合は、X-Mew: フィールドに表示する。初期値は ‘t’。

mew-use-text-body

本文のテキストをヘッダと同時に表示するか否か。‘t’ なら、本文がシン グルのテキスト、および、本文がマルチパートで最初のパートがテキストの場合、 そのテキストをヘッダと同時に表示する。‘nil’ の場合は、マルチパート内 のパートのように表示する。初期値は ‘t’。

mew-use-alternative

Multipart/Alternative の取り扱い。Multipart/Alternative であるメッセー ジには‘-’ マークが付いている。‘t’ なら、 ‘mew-mime-multipart-alternative-list’ の優先順位に従って、1 つのパー トを表示する。‘nil’ なら、通常のマルチパートとして表示する。初期値 は ‘t’。

mew-use-text/html

Text/Html の取扱い。‘nil’ の場合は HTML を解析せずに表示。それ以外 なら HTML を解析して表示。初期値は ‘nil’。

mew-use-text/xml

Text/Xml の取扱い。‘nil’ の場合は XML を解析せずに表示。それ以外 なら XML を解析して表示。初期値は ‘nil’。

これらの変数に関する基本的なコマンドは、‘.’ です。このコマンドは、 以下のように動きます。

1) このコマンドがメッセージ上で実行されると、そのメッセージのキャッシュ が削除され、メッセージが解析されて再表示されます。

1a) もし現在のメッセージの大きさが ‘mew-file-max-size’ を越えてい るなら、MIME は解析されず、そのまま表示されています。この場合、このコマ ンドはこの上限に関わらずに現在のメッセージを解析し、再表示します。

1b) もし現在のメッセージのヘッダ長が ‘mew-header-max-length’ を越 えているなら、メッセージが壊れたように表示されています。この場合、この コマンドはこの上限に関わらずに現在のメッセージを解析し、再表示します。

1c) もし現在のメッセージが ‘:’ で表示されているなら、マルチパート の構造は、通常とは違うように表示されています。この場合、このコマンドは マルチパートの構造を通常と同じように再表示します。

1d) もし ‘mew-use-text/html’ が ‘nil’ なら、HTML は解析されず、その まま表示されています。この場合、このコマンドは HTML を解析し、再表示し ます。

2) もしこのコマンドがパート上で実行された場合、そのパートが再表示されま す。

2a) もし ‘mew-use-text/html’ が ‘nil’ なら、HTML は解析されず、その まま表示されています。この場合、このコマンドは HTML を解析し、再表示し ます。

.’ 以外にも、以下のような便利なコマンドがあります。

.

メッセージを解析し、再表示する。

C-u.

mew-decode-broken’ を逆にしてメッセージを解析し直す。 See section 規格違反のメッセージ を参照のこと。

:

mew-use-alternative’ と ‘mew-use-text-body’ を反転させた ‘.’.

C-u:

mew-use-alternative’ と ‘mew-use-text-body’ を反転させた ‘C-u.’.

,

現在のメッセージやパートを生の書式で Message モードに表示する。

C-cTAB

メッセージ全体をファイルとして read only で開く。

C-uC-cTAB

メッセージ全体をファイルとして開く。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.4 暗号メールや電子署名を表示する

今までと同様 ‘SPC’ などを利用することで、Mew では暗号化や電子署名 を施されたメッセージを簡単に表示できます。まず、簡単な例から紹介しましょ う。

 S03/18 神田パソコン館 見積書                    |先日承りましたノートPC
 E03/21 匿名希望       秘密のメール              |

上記のメッセージには、それぞれ ‘S’ マークと ‘E’ マークが付いて います。これはそれぞれ、本文全体が署名されている、および、暗号化されてい ることを意味します。

PGP/MIME や S/MIME では、一部のパートに電子署名を施したり、暗号化したり できます。この場合このようなマークは付きません。‘S’ マークや ‘E’ マークが付くのは、本文全体が対象になっている場合です。

また、単に署名や暗号化といいましたが、これは最終的な処理が署名や暗号化で あったことを意味しています。やや複雑な話になりますが、もしかすると前者は 本文全体を暗号化した後、署名したのかもしれませんし、後者は一部のパートに 署名し、さらに全体を暗号化している可能性もあります。

本文全体、あるいは、一部のパートが暗号化されている場合、Mew はパスフレー ズを訊いてきます。パスフレーズを入力する際の注意事項については、 See section 起動 を参照して下さい。入力されたパスフレーズは、あなたの秘密鍵 を復号化するのに使われます。そして、復号化された秘密鍵によって、暗号化さ れているメッセージを解くわけです。

暗号メッセージを表示するには、暗号化された数だけパスフレーズを入力する 必要があります。これは Mew が安全を期して、通常パスフレーズを保存しない からです。もしこれがわずらわしいなら、Mew にパスフレーズを保存させるこ とも可能です。詳しくは、See section パスワード を参照して下さい。

パスフレーズを保存しない通常の設定でも、一旦復号化されたメッセージはしば らく保存されるので、2 回目の表示にはパスフレーズを訊かれないかもしれませ ん。

一方、通信相手の署名を検証するためには相手の公開鍵が利用できればよいので、 パスフレーズを訊かれることはありません。

Mew は自動的に電子署名を検証したり、入力されたパスフレーズを使って暗号メッ セージを復号化したりして、元のメッセージを表示します。そこで、ユーザが署 名の存在に気づかないかもしれませんし、どの部分が暗号化されていたのか分か らないかもしれません。

そこで、検証の結果やどの部分が暗号化されているかをユーザに通知するために、 Mew は以下のようにヘッダに X-Mew: フィールドを挿入します。

X-Mew: <body> PGP decrypted.
       Good PGP sign "kazu@example.org" COMPLETE

"<>" 内の番号は、どのパートの結果であるかを示しています。"body" は、メッ セージの本文全体が保護されていることを意味します。この例では、メッセージ 全体が kazu によって署名され、受信者のために暗号化されています。Mew はま ずこれを復号化し、そして署名を検証しています。署名は正しいので、 kazu@example.org という ID の付いた秘密鍵で署名されたときから、内容は変更さ れていないと分かります。この署名の検証に使われた公開鍵の「有効性」は "complete" です。よって、受信者はこの公開鍵が ID が示すユーザに属してい ると信頼していることになります。つまり、このメッセージは信頼をおいている 公開鍵によって検証され結果が正しいので、改竄されていないということになり ます。

以下の例では、まずマルチパートである本文全体の電子署名が検証され、その後 パート 2 のメッセージ全体が復号化されています。つまり、作成時には、まず パート 2 が暗号化され、そして本文全体が署名されたことが分かります。

X-Mew: <body multi> Good PGP sign "kazu@example.org" COMPLETE
X-Mew: <2 message> PGP decrypted.

するどい人なら、悪い人があらかじめ X-Mew: フィールドを挿入しておき、あなた をだますかもしれないと思うかもしれません。でも大丈夫です。Mew は、ヘッダに ある X-Mew: をあらかじめ削り、本物の X-Mew: フィールドを挿入しますから。

PGP/MIME について:

X-Mew: フィールドは他にもさまざまな結果を伝えてくれます。たとえば、署名 を検証するための公開鍵がないとか、復号化に失敗したなどです。以下の例は、 鍵 ID が 0x1B8BF431 である公開鍵がないことを示しています。

X-Mew: <body multi> No his/her public key. ID = 0x1B8BF431

この場合、‘C-cC-f’ と入力すると、Mew はこの公開鍵の入手を試みます。 その際、公開鍵サーバを選択できます。もし、X-Mew: フィールドがない場合は、 ‘C-cC-f’ は From: を ID と考えます。また、‘C-uC-cC-f’ は、 X-Mew: フィールドに加えて ‘mew-x-pgp-key-list’ に指定されたフィー ルドも鍵 ID を切り出す対象とし、公開鍵の入手を試みます。

Mew では PGPv2、PGPv5、GNUPG に対応しています。これらは Summary モードに おいて、‘C-cC-v’ で切替え可能です。これら複数の PGP を使いたい人は ‘mew-prog-pgp2’、‘mew-prog-pgp5’、‘mew-prog-gpg’ に対し、 それぞれ PGPv2、PGPv5、GNUPG のコマンド名を設定して下さい。また、Mew の 起動直後に利用する PGP のコマンド名を ‘mew-prog-pgp’ に設定して下さ い。なおパスフレーズは、それぞれの PGP に対し独立に保存されます。

なお昔ながらの PGP メッセージは、自動的に処理できません。このような PGP メッセージに対しては、‘C-cC-z’ で復号化や署名の検証ができます。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.5 メッセージの取得

メールボックスへ到着したメッセージを +inbox へコピーし一覧表示するには、 ‘i’ を使います。コピー元のメールボックスは ‘mew-mailbox-type’ によって決まります。(‘M-x mew’ を実行した際に、‘mew-proto’ が ‘+’ の場合も、‘mew-mailbox-type’ に従ってメッセージがコピーさ れます。) 以下に取りうる値を示します。

'mbox

ローカルのメールボックス。デフォルトでは "incm" という外部コマンドを使い、 メッセージを取得する。設定方法は、See section 初期設定 を参照のこと。

'pop

POP サーバ。POP を POP らしく使う方法。(初期値)

'imap

IMAP サーバ。IMAP らしくない利用方法なので、推奨されていない。

ローカル・フォルダでメッセージの一覧を再表示するには、‘s’ を使いま す。

リモート・フォルダでメッセージを取得、あるいは再取得する場合にも ‘s’ を使います。IMAP やニュースでは、‘i’ は利用せず、‘s’ を使うのが一般的です。

s’ を使うと範囲を訊いてきます。Mew で重要な範囲の意味を以下に示し ます。

update

「Summary モードの最後のメッセージの次」から「フォルダ内の最後のメッセー ジ」まで。つまり、Summary モードと実際のフォルダ内のメッセージの差分。

all

フォルダ内のメッセージすべて。ローカル・フォルダでは、Summary モードの表 示がおかしくなったときに、内容を一新するために用いる。リモート・フォルダ では、すべてのメッセージの再取得。

sync

あるリモート・フォルダに対し、サーバ側では消えたメッセージのキャッシュを 削除する。リモート・フォルダに対してのみ有効。

+draft、+queue、+postq では、デフォルトの範囲は ‘all’ となっていま す。それ以外のフォルダでは、デフォルトの範囲が ‘update’ となってい ます。ですから、+draft、+queue、+postq 以外では、‘s’ の後に ‘RET’ を押すだけで、現在のフォルダに対し最新の一覧を得られることに なります。

Mew ではあまり重要ではありませんが、以下の範囲も指定できます。

<num1>-<num2>

<num1> から <num2> まで。ローカル・フォルダに対してのみ有効。

<num1>-

<num1> から最後まで。ローカル・フォルダに対してのみ有効。

-<num2>

最初から <num2> まで。ローカル・フォルダに対してのみ有効。

last:<num>

最後の <num> 個。

リモート・フォルダで ‘s’ を ‘C-u’ 付きで呼び出すと、「ヘッダの みのコピー」と「ヘッダと本文の両方のコピー」を反転できます。これらの動作 は、POP、IMAP、NNTP に対し、それぞれ ‘mew-pop-header-only’、 ‘mew-imap-header-only’、‘mew-nntp-header-only’ で定義でき、初 期値はすべて ‘nil’ です。つまり、初期値は「ヘッダと本文の両方のコ ピー」になっています。

サイズが大きなメッセージは、全体ではなく一部が取得されているかもしれませ ん。このようなメッセージには、‘T’ マークがついています。このメッセー ジの全体を取得するには、そのメッセージ上で ‘I’ と入力します。

たとえば、$inbox に ‘T’ マークのついたメッセージがあるとしましょう。 このメッセージの上で ‘I’ を押すと、メッセージの全体が取得できます。

メッセージの取得に関するコマンドを以下にまとめます。

i

ローカル・フォルダでは、+inbox フォルダに移動し、到着したメッセージを取 得して一覧を表示する。‘mew-auto-flush-queue’ が ‘t’ なら、 +queue にあるメッセージを送信する。詳しくは、See section メッセージの送信 を参照のこと。 リモート・フォルダでは、そのデフォルトのフォルダに移動し、‘s’ + ‘update’ を実行する。

C-ui

mew-auto-flush-queue’ の値を逆だと思って、‘i’ を実行する。

I

T’ マークの付いている一部だけが取得されたメッセージの全体を取得す る。

ローカル・フォルダで実行した場合、ケースと ‘mew-mailbox-type’ によ り取得方法が決まる。‘mew-pop-delete’ または ‘mew-imap-delete’ の値が ‘t’ なら、メールボックスのメッセージを削除する。

リモート・フォルダで実行した場合、ケースと取得方法はそのフォルダから決まる。 サーバ側のメッセージは常に保存される。

C-uI

mew-pop-delete’ または ‘mew-imap-delete’ を逆転させて ‘I’ を実行する。

s

フォルダの一覧を取る。

C-us

リモート・フォルダにおいて、「ヘッダのみのコピー」と「ヘッダと本文の両方 のコピー」を反転させて、一覧を取る。

lc

リモート・フォルダのメッセージをローカル・フォルダへコピーする。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.6 フォルダの移動

フォルダの移動には ‘g’ を入力して下さい。以下のようにフォルダ名を訊 かれます。

Folder name (+inbox): +

":" の右側を編集可能領域と呼ぶことにしましょう。この例では、編集可能領域 に修飾子 "+" が表示されています。修飾子に続けて任意の文字列を入力し、 ‘RET’ を押せば、フォルダ名が決定されたことになり、そのフォルダへ移 動します。

フォルダを移動した際に Summary モードの一覧が古いと判断した場合は、自動 的に差分が追加表示されます。

"()" 内がデフォルトのフォルダです。単に ‘RET’ を押し "+" を入力する と、デフォルトのフォルダを入力したものとして扱われます。

補完を利用するには、‘TAB’ や ‘SPC’ を押して下さい。

さて、話を ‘g’ を押した直後に戻しましょう。

Folder name (+inbox): +

たとえば、"+" を "%" に変更するには、通常なら "+" を削り、"%" を入力する 必要があります。これでは面倒なので、"+" の後で "%" を入力すると、"+" が "%" に置き換わるようになっています。このように、修飾子の直後で他の修飾子 を入力すれば、削る作業をせずに置き換え可能です。

リモート・フォルダを入力する場合、See section 送受信の動作変化 で説明するケースを指定し たい場合もあるでしょう。ケースは、フォルダ名の前に ":" で区切って入力し ます。たとえば、"home" というケースの "%inbox" に移動したいとしましょう。 このとき、"home:%inbox" と入力する必要があります。しかしこれは面倒なので、 任意の場所で ‘C-cTAB’ を押すと利用可能なケースが、フォルダ名の前に 循環的に補完されます。次の例を考えて下さい。

Folder name (+inbox): %inbox

ここで ‘C-cTAB’ を入力すると、以下のようになります。

Folder name (+inbox): home:%inbox

フォルダ名の一部を指定して、フォルダを検索したいこともあるでしょう。この 場合には、前方検索の ‘C-s’ か後方検索の ‘C-r’ が利用できます。 以下は、‘C-s’ を押したときのミニバッファの状態です。

Folder name (+inbox): ()

編集領域に現れた "()" が、検索モードに移行したことを表わしています。ここ で文字を入力していくと、マッチした候補が "()" の中に表示されます。以下は "mew" で検索したときの例です。

Folder name (+inbox): (+work/mew-release) mew

候補を確定する際には、‘RET’ を入力して下さい。そうすると検索モード を抜けて、編集領域にこの候補が表示されます。

Folder name (+inbox): +work/mew-release

さらに ‘RET’ を押せば、このフォルダが入力されたことになります。

検索対象となるフォルダの一覧は、ケースと修飾子の組で決定されます。 ‘C-s’ や ‘C-r’ で検索モードに移るときに編集領域にある文字列か ら、ケースと修飾子が切り出され、フォルダの一覧が決定される訳です。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.7 送信、返答、転送

メッセージの送信、返答、転送には、以下のコマンドを使います。

w

メッセージを書く。新しい草稿が Draft モードに用意される。 See section メッセージを作成する を参照のこと。

C-uw

メッセージを書く。新しい草稿が Draft モードに用意される。現在のメッセー ジの From: にあるアドレスが、草稿の To: へコピーされる。

W

あるメッセージのヘッダの一部だけを編集しメッセージを送信するために Header モードに入る。See section メッセージの再送 を参照のこと。

a

現在のメッセージに返答する。Draft モードに草稿が用意され、To: や Cc: が 自動的に決定される。See section メッセージへの返答と宛先の決定 を参照のこと。

C-ua

現在のメッセージに対し送信者宛に返答する。

A

現在のメッセージに返答する。Draft モードに草稿が用意され、To: や Cc: が 自動的に決定された後、本文が引用される。See section メッセージへの返答と宛先の決定 を参照のこと。

C-uA

現在のメッセージに対し、引用付きで送信者宛に返答する。

f

現在のメッセージを第 3 者に転送する。Draft モードに草稿が用意され、現在の メッセージが自動的に添付される。See section メッセージの転送 を参照のこと。

F

*’ マークの付いたメッセージを第 3 者に転送する。Draft モードに草稿 が用意され、‘*’ マークの付いたメッセージが自動的に添付される。詳し くは See section 対象 ‘* を参照のこと。See section メッセージの転送 を参照のこと。

エラーメッセージが返ってきたら、以下のコマンドで修正し再挑戦しましょう。

E

メッセージの再編集。または、MIME 形式でカプセル化されて戻ってきたメッセー ジの再編集。

  1. +draft では、メッセージが単に編集される。
  2. +queue と +postq では、メッセージが +draft に移動されて、編集される。
  3. それ以外では、メッセージが +draft にコピーされて、編集される。

+draft、+queue、+postq では、ケースが復活する。

他のフォルダでは、‘mew-case-guess-when-prepared’ が ‘t’ なら、 ヘッダのそれぞれのフィールドがケースに従って置き換えられる。詳しくは See section 送受信の動作変化 を参照のこと。

C-uE

E’ と同じ。ただし、+draft、+queue、+postq 以外のフォルダで利用され た場合は、‘mew-case-guess-when-prepared’ が ‘t’ でも、オリジナ ルのヘッダが保存される。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.8 便利な機能

Mew では、Summary モードに以下のような便利なコマンドが用意されています。

v

「Summary モードのみ」と「Summary & Message モード」の切り替え。 「Summary モードのみ」を選んでいる場合は、‘d’ は次のメッセージを表 示しないので、連続してすばやく ‘D’ マークを付けられる。

zv

mew-use-header-veil’ が ‘nil’ でないとき、To: と Cc: で ‘mew-header-veil-count’ を越える行は「ベール」で隠されている。この コマンドは、それらの行の見える/見えないを反転させる。 ‘mew-use-header-veil’ と ‘mew-header-veil-count’ の初期値は、 それぞれ ‘t’ と 4。

_

通常の行、折り返された行、長い行の順に行の表示を変える。

M-l

現在の行を Summary モードの中央に移動させる。

C-cC-s

Message モードで順方向段階的検索。

C-cC-r

Message モードで逆方向段階的検索。

y

メッセージ、あるいは、パートを入力したファイル名で保存する。

b

Message モードの内容そのものを入力したファイル名で保存する。

C-uy

保存するテキストの coding-system を指定して、メッセージ、あるいは、パー トを入力したファイル名で保存する。

#

mew-print-function’ を利用して Message モードの内容を印刷する。

C-u#

プリンタ名を指定して Message モードの内容を印刷する。

|

Message モードの内容をパイプで指定されたコマンドに出力する。

C-u|

Message モードの本文(ヘッダを除く)をパイプで指定されたコマンドに出力する。

\

このメッセージを引数にして、入力された外部コマンドを起動する。

B

格納されているメッセージを取り出す。

C-uB

格納されているファイルを取り出す。

C-cC-a

現在のメッセージの情報をアドレス帳に登録する(See section アドレス帳)。

C-cC-v

PGP のバージョンを切替える(See section 暗号メールや電子署名を表示する)。

C-cC-z

昔ながらの自動処理できない PGP メッセージを PGP に復号化、検証させる(See section 暗号メールや電子署名を表示する)。

C

ケースを変更する。詳しくは、See section 送受信の動作変化 を参照のこと。

=

フォルダ名とメッセージ番号を表示する。キャッシュ・メッセージの場合は、 加えて ID とサイズも表示する。メッセージへのフルパスが、ウインドウマネー ジャのカットバッファに入る。

;

Received: フィールドを解析し、分りやすく Message モードに表示する。

Rd

フォルダを削除する。

Rr

フォルダの名前を変える。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.9 状態の更新

いくつかの設定の変更には、その変更を反映するために、状態を更新しなければ ならない場合があります。変更が反映されなかったり、変更のためにエラーが生 じるようになったりした場合は、以下のコマンドを利用して下さい。

Z

アドレス帳(See section アドレス帳)などの情報を更新する。

C-uZ

現在の世界に対するフォルダのリストの情報を更新する。

状態を反転させるコマンドを以下にまとめます。

z8

8 ビット・モード(‘mew-use-8bit’)を反転させる。

zc

解析したメッセージのキャッシュを消去する。

zd

mew-debug’ を反転させる。

zo

PGP を省略方法で作成する場合、PGP/MIME なのか古い PGP の書式なのか (‘mew-use-old-pgp’)を反転させる。

zp

解析、復号化のポリシ(‘mew-decode-broken’)を反転させる。

zv

Message モードでベールを使うか否か(‘mew-use-header-veil’)を反転さ せる。

zw

警告のレベル(‘mew-warning-field-level’)が 2 なら 1 へ、1 なら 2 へ 設定する。


[ << ] [ < ] [ Up ] [ > ] [ >> ]         [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

2.10 規格違反のメッセージ

以下のようなメッセージは、Content-Type: で charset が指定されていないの で、本来 US-ASCII と認識されてしまいます。

To: piglet
Subject: 規格違反のメッセージ
From: pooh
MIME-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain

日本語の本文

また以下のようなヘッダも規格違反です。

From: "=?iso-2022-jp?B?GyRCOzNLXE9CSScbKEI=?=" <kazu@example.net>

上の例では "=?" と "?=" で囲まれた部分はもともと日本語でした。メッセージ の規格ではヘッダには ASCII のみが格納できると定められています。よって、 ASCII 以外の文字コードをヘッダに格納するには、ある規則に従って ASCII に 符号化する必要があります。しかし、この符号化された文字列を 「"」 で囲む のは間違いです。「"」で囲まれた文字列は、そのままの形で取り扱われます。 よって、上の例の "=?" と "?=" で囲まれた部分が日本語に復号化されることは 本来ありません。

規格に無頓着な一部のメーラではこのような間違いを平気で犯します。正しい対 処方法は、このようなメーラの作者に頼んで、規格を正しく実装するように変更 してもらうことです。しかし、このようなメーラはあまりにも多いので、Mew で はできる限り復号化するよう試みます。そして、以下のような警告をヘッダに出 します。

X-Mew: Charset for body is not specified.
       To: has encoded-words in quoted text.

もし、規格に厳密に復号化したいのなら、‘mew-decode-broken’ を ‘nil’ に 設定して下さい。この値は ‘C-u.’ を使うと動的に反転できます (See section 読み方の基礎 を参照)。

次のようなメッセージは、charset で指示されている文字コードと実際の文字が異 なるため、文字化けを起こします。

Content-Type: Text/Plain; charset=ISO-2022-JP

Shift_JIS で書かれた日本語の本文

C-cC-l’ を使えば、charset で指定された文字コードを無視し、指定した 言語の推測規則に従って文字コードを推測し、再表示させることができます。ま た、‘C-uC-cC-l’ で明示的に文字コードを指定し、再表示させることも可 能です。


[ << ] [ >> ]           [Top] [Contents] [Index] [ ? ]

This document was generated on February 16, 2023 using texi2html 5.0.