九州大学工学部情報工学科での博士号の取得工程

山本和彦
1999年2月
2001年2月 下川さんの情報追加

このページでは、 九州大学工学部情報工学科で博士号を取得する人の 参考になるように、 取得工程や FAQ についてまとめます。 あらかじめ、 事務室から「博士学位論文審査方法の概略」をもらってよく読んで下さい。


工程

博士号を取得するには、3回の教授会を経る必要があります。 教授会は月 1 回しか開かれませんので、 スケジュールや作戦を主査の先生と 綿密に話し合いましょう。

以下におおまかな流れを示します。


業績をあげる

博士号を取るには、 論文誌や国際会議にいくつか論文が受理されたという業績が必要です。 歳をとるにつれ必要とされる論文数は増えますので、 なるべく若いうちにとりましょう。 また、課程博士と論文博士でも必要とされる論文数が異なるかもしれません。 論文数については主査の先生と相談して下さい。

博士号には文部省が定めた区分として「甲」と「乙」があります。 課程博士が「甲」、論文博士が「乙」です。


博士論文の執筆

業績がたまったら博士論文を書きます。 業績の各テーマが似通っているとすぐにまとまるのですが、 似通っていないとまとめるのが大変です。 「こんなのまとめられるのか?」とくじけそうになりますが、 恥を忍んでまとめましょう。 とっても時間がかかりますので、 なるべく早く書き始めましょう。

この時点では副査の先生が決まっていませんので、 謝辞を書く必要はありません。 でも、目次、図目次、索引、 略語表などはちゃんと作成しておきましょう。


予備審査会(教授会)

この教授会で、博士論文の審査を始めることを承認してもらいます。 副査の先生が決定します。 以下の書類が必要です。 本論文とは、上で書いた博士論文のことです。

参考論文は、掲載された論文の別刷、 あるいは論文誌のコピーです。 B5 の場合は、A4 に等倍コピーし、まわりに余白を作ります。 (コピーだと不要な影ができたり、文字が歪んだりしますが、 気にしないで下さい。) どれを参考論文にするかはあらかじめ主査とよく話合い、 早めにハードコピーを用意しておきましょう。 以後の過程でも参考論文はたくさん必要になりますから、 ハードコピーはたくさん用意しておいて下さい。

論文要旨は、2000字程度の論文の要約です。 研究歴は社会人になってからの年月を「月」単位で書きます。 参考論文数は、下記の論文目録の「X編1冊」の X にあたります。

学歴、職歴には日まで必要です。卒業日、修了日を早めに調べておきましょう。 この研究歴は月単位で書いていいですが、 論文提出の際には日まで必要になりますので、 学歴、職歴、研究歴すべて日まで書いておくとよいでしょう。 研究歴は、職歴の変遷に合わせて書いて下さい。 (例:「○○会社△△部において、××に関する研究」)

論文目録の主論文は、通常「1編1冊」とします。 題名の下には、主論文の基になった論文の掲載誌のみを列挙します。 参考論文は、「X編1冊」とします。 論文名や掲載誌、共著者を列挙します。 主論文で掲げた論文もここで繰り返します。

論文要旨、論文要旨、論文目録の LaTex 2e テンプレートは ここから入手できます。


説明会(非公開)

主査、副査に論文の説明をします。 それぞれの先生にあらかじめ主論文(ファイル綴じ)と 参考論文(ファイル綴じ)、論文要旨、履歴書、論文目録をお渡ししておきます。

当日は、下記を用意していきましょう。

説明1時間、質疑30分が目安ですが、 当然時間無制限となります。 (人生最大の山場といってもいいでしょう。)

最後に、論文や論文要旨へのコメントを頂きます。


論文提出

論文が受理される教授会、つまり 2 回目の教授会の 1 週間前までに下記の書類を学生課事務室に提出する必要があります。 主論文と参考論文の製本には 1 週間以上かかりますから、 2 週間は余裕をみる必要があります。 これらの書類は提出前に必ず学生課の人に目を通してもらい間違いがないか 調べてもらいましょう。これはとっても重要です。 なるべく早く見てもらって下さい。

各書類の LaTex 2e テンプレートは ここから入手できます。


下川さん情報(2001年2月現在)
Email: kazu@mew.org
URL: http://www.mew.org/~kazu/