両目2.0

山本和彦

データ

イントラレーシックとは?

角膜の中層にレーザを当て、近視や乱視を矯正する手術。中層にレーザを当てるためには、一時的に表層を取り外す必要がある。表層を切断し、蓋にしたものをフラッブと呼ぶ。フラップを作成する際、金属メスを使う方法が「レーシック」、これにもレーザを使うのが「イントラレーシック」。角膜の中層は再生能力がなく、表層にはある。これが中層を削る理由である。

安全性

「レーシック」と「イントラレーシック」の安全性は、まったく異なる。

レーシックは金属メスを使うため、ゆがみのないフラップを作ることは困難。手術の成功率は、87%。

フラップの作成にもレーザを使うイントラレーシックは、成功率が 99%(一説には 99.97%)。残りは、失敗ではなく、再手術するという意味。再手術すれば、ほとんど成功する。

医療費と保険

適応性

レーシックの手術が可能か否かは、「角膜の厚さ」と「近視・乱視の度合い」のバランスになります。手術を受けるには、あなたの近視・乱視を直すに十分な厚さが角膜に必要です。

長年コンタクトをはめていると角膜は薄くなっています。近視・乱視がひどいと、それだけ多く削らないといけません。

長年コンタクトをはめていても、近視・乱視が軽ければ、手術を受けられる場合があります。近視・乱視がひどくても、あまりコンタクトを使っていなければ、手術が可能でしょう。

とにかく、コンタクトは目に悪いので、コンタクト・ユーザでレーシックを受けたい人は、なるべく早く検査に行くべきです。

素朴な疑問

検査当日、医者に聞いた素朴な疑問とその回答:

Q. 将来、白内障になったら、白内障の手術は可能なのですか?
A. レーシックの手術をした人は多いので、あなたが白内障になるころには、手術例がたくさん出ているはずです
Q. 手術中に停電になったらどうなるのですか?
A. 無停電電源(UPS)が入っているので大丈夫。
Q. 手術中に地震が来たらどうなるのですか?
A. 一秒間に500回カメラで震動を検知しています。地震が来たら止めればいい。それよりも、人が動く方がよっぽど問題。
Q. 多分花粉症で、目がかゆくなるのですが、大丈夫ですか?
A. 花粉の季節までずいぶんあるので大丈夫。(手術は 2006年12月27日)

イントラレーシック日記

2006/10/??
黒石くんがレーシックについて力説する。曰く「友達がやった」「簡単に視力が 2.0 になる」「安くて安全」。という訳で、黒石くんが冬のボーナスやったら、僕もやることにした。
2006/10/14
座間味で再会した見上さんが、医療保険が効くと教えてくれた。
2006/12/??
佐藤さんがレーシックをしていた。いろいろ話しを聞き、紹介状をもらった。
2006/12/13
明日、電話して予約しようと思う。いざ、やるとなると、かなり不安になった。結局、黒石くんより先にやる。
2006/12/14
品川近視クリニックに電話をかけて予約。検査前は、ソフトコンタクトなら一週間、ハードなら二週間はめてはいけないとのこと。もう少し早くしたかったのだけど、余裕をみて、検査を 12/25、手術を 12/27 にした。
2006/12/15
角川と安全性について談義。その後 web でいろいろ調べ、「レーシック」と「イントラレーシック」の違いを理解した。
2006/12/18
保険屋にメールして、医療保険でカバーされるかを聞く。保証は、入院一泊 8,000 円。通院では出ない。手術の場合、深刻さに応じて 10倍、20倍、40倍となる。今回、手術なので出て、10 倍が適応されて、8万円支払われることになった。もちろん、診断書が必要。約款を読むとレーシックがカバーされると書いてあった。
2006/12/25 検査
検査のため、品川近視検査クリニックへ(品川近視クリニックとは別)。14:00 を予約したのは、瞳孔を拡げる目薬をさすと聞いていたから。検査が終わったときに、まだ明るいと、経験上辛いからね。最初に招待券を出す。3時間ぐらいかけて、検査する。検査場は、概ね 4 部屋。暗い部屋もある。僕は「左目にサッカーボールが当たったことがある」「人間ドックで左目の緑内障が疑われた」ことを申告。他の人はやっていなかったが、念のため視野検査も受けた。視野検査は問題なし。眼圧が正常値の範囲だが、かなり低い方なので、こういう人が将来緑内障になるとは考えにくいとのこと。また、レーシックの検査では、「コンタクトをあまりしていない角膜が厚い健康な目で、近視(右 0.08、左 0.09)も乱視もひどくないから、+10 の手術ができる」と言われた。+10 って意味が分からないけど、簡単に言うと「両目とも 2.0 になる」のだそうだ。
2006/12/26
昼にラーメンを食べていると、汁が飛んで左目に入り、少し熱いと感じた。痛くないので、火傷してないと思うんだけど、不安だー。明日、手術できるかなぁ。
2006/12/27 手術前
なんと、手術前に支払い。おいおいと思っていたが、帰るときに納得。手術の後は、支払いさえもする気にならない。最終確認の検査の後、診察。ラーメンが左目に入ったことを告げると、全然問題ないとのこと。よかったー。少し暗い部屋で点眼麻酔をさす。
2006/12/27 フラップの作成
まず、右目に装置が押し付けられ、右目は真っ暗。「動かないで、力を入れないで」と言われ、22秒間レーザを照射。生唾がたまったので飲み込むと、すかさず「力を入れると危ない」と言われる。苦しい。間髪入れず、左目に行く。今度は、ちょっと慣れて力を抜き気味にできた。両目が終わると、視界は真っ白。このまま、イントラレーシックの装置まで歩けと言われた。えー。フラップは、浮いているんでしょう?看護士に付き添われながら、おそるおそるイントラレーシックの装置へ。
2006/12/27 イントラレーシック
目蓋を固定されて、今度は見える状態で手術。フラップをつまんで外された!視界がすごーくぼやける。緑の光を見つめるように言われ、赤いレーザが 15 秒間照射される。その後、フラップを戻し、二種類のハケで伸ばしているのが分かる。何かでくっつけているのも分かる。もう気分が悪くなりそー。でも、部屋がすごく寒いので、気分は悪くならなかった。左目も同じことを繰り返して、手術は成功。
2006/12/27 手術の後
手術の直後、視界は白いが 2.0 見えているのが分かる。回復室で 20 分間目を閉じて休み、最終検査で OK をもらって帰る。本を読むのもダメ、テレビを見るのもダメ、運動やお酒はもってのほか。というわけで、人と喋るしかありません!術後、右目がチクチクして涙が止まらない状態になった。痛みは2時間ぐらい続く可能性があり、耐えられなければこれを使えという目薬をさす。さした瞬間、痛みが消えた!これ、やばーい。よく読むと、三滴までしかさしてはいけないとのこと。配分をよく考えて、三滴使い、しのいだ。一時間後ぐらいに、視界はクリアになった。おおー、世界が美しい!夜寝るときは、「目が乾いて、フラップが目蓋にくっついたらどうしよう」と不安に駆られながら寝る。
2006/12/28 (1日目)
朝起きると、ちゃんと見える!よかったー。遠くはよく見えるけど、近くは見にくい!朝一で、「銀座アイクリニック」で診察。検査では、両目ともに 2.0。左ははっきり 2.0 なんだけど、右は 1.5 から 2.0 の間ぐらい。ちょっと右は、やや白っぽく、左と比べると違和感がある。また、右には異物感もある。診察では、とても順調とのこと。会社に行き、ようやく顔を洗えた!花粉症の眼鏡はかっこ悪いので、Gucci のサングラスをしていったところ、会社では目立ってしまった。。。今日は、仕事納めなんだけど、当然お酒は飲めない。
2006/12/29 (2日目)
右目に異物感が残っている。フラップの跡がどこか分からなくなった!
2006/12/30 (3日目)
右目に異物感が残っている。車に乗ってみた。全然、問題なし。
2006/12/31 (4日目)
異物感がなくなり、もう無意識に目をかいたりしないだろうと思い、仮面ライダーになって寝るのを止めた。しかし、無意識に左目を触っていることに気づき、飛び起きて仮面ライダーに変身。油断大敵です。
2007/01/01 (5日目)
真鶴半島の三ツ岩で初日の出を見る。あまり寝てなくても、目は大丈夫。
2007/01/02 (6日目)
我慢できなくなり、6日目にしてお酒を飲む。。。
2007/01/03 (7日目)
ジョギング開始。何の問題もなし。
2007/01/04 (8日目)
朝一で診察。とても順調とのこと。検査では両目とも 2.0 だが、やっぱり右は 1.5 〜 2.0 な感じ。紹介券をもらった。
2006/01/08 (二週間後)
右目が安定しない。軽い痛みが走り、乱視っぽく見える。
2006/01/09
昨日と同じ。佐藤さんに3万円が振り込まれたそうだ。
2006/01/10
今日は、右目が安定している。お酒を飲まないと、調子がいい?
2006/01/13
今日は初めて左目がぼやけた。30分ぐらいで治ったけれど。
2006/01/16
右目が不安定。やっぱり、たくさんお酒を飲んだ次の日は調子が悪いみたい。
2006/01/28
運転免許の「眼鏡等」を外さなきゃと思いつつ、今に至っていたが、ちょうど免許更新なので二俣川で外してもらった。視力検査のときに、検査の人に申し出るだけで OK。ところで、運転免許更新の手続きが恐ろしく簡便になっており、びっくりした。やればできるじゃん!
2006/01/29
医療保険の8万円が振り込まれた。
2006/01/31
黒石くんが貸してくれたレーシックの本によると、最初の三ヶ月に近くを見続けた場合、近視が戻ることがあるという。なので、著者のクリニックでは、最初は遠視の眼鏡を推奨しているそうだ。人間の眼は、2m 以上先を見ると焦点は無限大、すなわち眼の筋肉にまったく力が入ってない状態になる。だから、2m 以上を見ている限りは、絶対に近視にならない。50cm のものを見かけ上 2m にするには、2D (2.00) の遠視の眼鏡をかけるとよい。この眼鏡は、眼鏡屋と戦って購入。(若い人には売りたがらない。) というわけで、今日からパソコンの作業では 2D の遠視の眼鏡をかけている。これまで、右目に疲れを感じていたけれど、劇的に疲れなくなったから驚き。でも、70cm は離して見ているので、度数が 2D もあるとかなり見えにくい。
2007/02/19
人間ドックで視力を測ったところ、両目 1.5 と言われた。うーん。明らかに左目の方がよく見えるんだけど。。。
2007/03/22
最終の三ヶ月検診。両目とも 2.0。最近、暗いところで近くが見にくい。夜のカーナビやレストランのメニューでそう思う。でも、光に対する感度は手術前と変わってないと言われた。「六ヶ月で落ち着くから」と言われ、六ヶ月経っても気になるようなら、また検診に行くことになった。