背の高いクライマーの言い分

クライミングの世界には、背が高いと有利で、 背が低いと不利だという常識がまかり通っています。

背が高いクライマーは、 背が低いクライマーの「背が低いから次が取れない」という言い訳や、 「背が高い人は簡単に取れていいわよねぇ」という嫌みをたくさん聞かされてうんざりしています。 はっきり言って、背が低いクライマーのこのような言い分は間違っています。


次が取れないのは下手だから

小林由佳ちゃんは、身長が 140 cm 台のときに、 日本で女性の年間チャンピオンになりました。 この事実をどう受け止めますか?

次の一手が取れないのは、リーチが短いからではなく、下手だからです。 ちゃんとホールドを引き付けていないのかもしれませんし、 肩の関節が硬いのかもしれませんし、 見ないで取るという方法を知らないのかもしれません。 下手なのを、背が低いせいにしていては、いつまで経っても進歩はないでしょう。


背が高いと不利なことも多い

背が高いと、見た目には有利なことが多そうですが、 不利なことが多いのも事実です。

体重は身長に比例しますが、 手の力は生活習慣で決りますから、そんなに違いは生じません。 手の力が同程度なら、体重が軽い方が圧倒的に有利です。 背の低いクライマーは余裕をもって自分の体重を支えているのに対し、 背の高いクライマーは不十分な手の力で一生懸命体をつなぎ止めていることになります。

初めの内は、背の低い人の方が前傾壁をうまく登れるのはこのためです。 背が高いクライマーが、背の低い人に追い付くには、 腕の力を相当鍛える必要があります。

また、背が低いクライマーが簡単に乗り込めるスタンスも、 背が高いクライマーには近すぎて足が折り畳めず、 乗り込めない場合もたくさんあります。 スタンスが限定されると、 リーチによって合う合わないが出てくるので、 一概に背が高い方が有利とは言えません。

目に見えるリーチの長さで比較したくなるのは分りますが、 手の力と体重の比のように、目に見えない要素もたくさんあるのです。


ポイント