クライミングがすぐれたスポーツである理由の 1 つに、 左右の対称性が挙げられます。 クライミングでは、右と左の手や足を均等に使うので、 左右のバランスがよくなります。
たとえば、野球やゴルフのように一方向だけにひねるスポーツは、 気をつけないと左右のバランスを崩してしまいます。 健康によいとされるスポーツで、 健康を害してしまったら逆効果という他ありません。
せっかくクライミングをやっているのなら、 左右の対称性にも気を使って、 より健康になりましょう。
自分の右手と左手を比べて下さい。
おそらく、利手の方が器用でしょう。 利手ではすばやくクリップできるのに、 逆の手では時間がかかってはいないでしょうか? 利手ではホールドを柔らかく持てるのに、 逆の手ではギュッと握ってしまっていませんか?
力はどうですか? 利手の方が強くありませんか? クリップの際に利手なら耐えられるのに、 逆の手では耐えられないということはないでしょうか?
柔軟性はいかがでしょうか? 肩の関節は、得てして逆手の方が柔らいものです。 なぜなら、利手はよく使っていて、筋肉がついています。 筋肉がつく際は、筋肉が縮みます。 これまで気を付けてストレッチをしていなければ、 よく使う手の方が硬くなっています。 利手ではクロスが取れないけれど、 逆の手では取れないという経験はありませんか?
手ほどは文明の影響を受けないと言われている足は、 左右にあまり違いがないと思っている人も多いかもしれません。 しかし、両者はかなり違うものです。 サッカーをやったことがある人なら左右の差は明らかに自覚していますし、 スキーでも実感できます。
サッカーもスキーもやらない人は、 片方ずつ貧乏ゆすりをしてみて下さい。 同じ速度、同じリズムでできますか? できないなら、左右の足の器用さが違うことになります。
器用さ、力、柔軟性の内、クライミングで両足の差が顕著に現れるのは、 器用さのようです。 前傾壁を登るときに、一方の腰をひねってそちら側の足のアウトに乗れても、 逆はまったくできない人が結構います。
左手よりも右手の方が力が強いとしましょう。 仮に怪力の人ぐらい力を付けろと言われても、 それは無理かもしれません。 持って生まれたものが違いますから。 しかし、左手を右手ぐらい強くすることは可能でしょう。 なんと言っても、両方あなたの手なのですから、 一方にできることは他方にも可能ななずです。
実力は十分なのに、左右が均等でないせいで登れないことは、よくある話です。 「あそこのクリップが、右手で耐えるんだったら、登れるのになぁ。 左手じゃ耐えれないなぁ」といった具合いに。
もし力に差があれば、弱い方の筋肉を重点的にトレーニングすべきです。 器用さに差があれば、苦手な方で苦手な動作を何度も練習します。 柔軟性に差があれば、硬い方を念入りにストレッチします。 左右が均等になるよう日頃から気をつけましょう。