練習方法

5.11a に到達するためには、 とにかくいろんなルートをたくさん登ることです。 しかし、効率よく上達するには、気をつけるべき点があります。 ここでは、向上するための練習方法の基礎について述べます。


急がば回れ

あなたの遠い目標は 5.11a を登ることですが、 性急にグレードを追い求めるのは、 あまり賢いやり方ではありません。 あるグレードが登れるようになったら、 そのグレードをたくさん登って自分のものにしてから、 次のグレードへ進むべきです。

たとえば、5.10b が一本登れたからといって、 すぐさま 5.10c への挑戦するのはよくありません。 ある 5.10c に 50 回ぐらい挑戦すれば、 その一本は登れるようになるかもしれませんが、 次の 5.10c にも同じぐらいのトライが必要になるでしょう。 それだけの時間があるなら、 5.10b をたくさん落す方が面白いし、 確実に技術も向上します。

5.10b が一本登れたら、 あらゆる種類の 5.10b を登るべきです。 スラブの 5.10b を登れたら、 次は垂壁の 5.10b や前傾壁の 5.10b に挑戦します。 近いけど手が悪いルート、 ガバだけど遠いルート、 バランスを取りにくいルート、 力が必要なルート、 登るべきルートはたくさんあります。 5.10b を 10 本程度完登できたら、 5.10c への挑戦権を得られたと考えていいでしょう。


頻度

あなたは、どれくらいの頻度で登っていますか? 向上したいなら、最低でも週に1回は登る必要があります。 1ヶ月に1、2度程度では、うまくなるのは難しいでしょう。

技の習得と筋肉の回復を考えると、 週末と平日合わせて週 2 回登るのが理想です。 週末しか登れない場合、(水曜日あたりの)平日に自分の弱い部分を鍛えるトレーニングを入れるといいでしょう。

逆に週3回以上登っている人は、 故障に気を付けて下さい。 筋肉が疲労から回復するには約 48 時間必要だと言われています。 何日も続けて登ると、逆に体が弱くなってしまいます。 必ず回復の時間を取るようにしましょう。


考えながら登ろう

ただ、漠然と登っているだけではうまくなれません。 ルートを登るときは、必ず意味付けをしましょう。

アップなら、体をほぐし、クライミングの感覚を取り戻すのが目的です。 簡単なルートを登り、予想外に難しいところが出てきたら、 頑張らずに落ちるぐらいがいいでしょう。 アップで終わってしまっては、その日が台無しです。

自分の限界に挑戦しているのなら、核心で耐えることも必要です。 終わってしまうかもしれませんが、 自分の限界を押し上げるためですから、しょうがないでしょう。

先ほど登れなかったルートを登るのなら、 登れなかったところに対し、 対策を何個か用意しておくべきです。 たとえば、さっき持ちかえられなかったのなら、 次はクロスで取るなど、 解決策を用意して試してみるのです。

登る前には、必ずじっくりルートを観察しましょう。 手順を決めるのは当たり前ですが、 どこでクリップするのか、 どこで休むのかも考えましょう。 また、足の置き場も見当をつけるようにして下しさい。 はじめの内は、取り付いてみないと、 どこをスタンスにしてよいのか分らないかもしれません。 しかし観察して考える習慣を付ければ、 いずれ予想できるようになります。


技術の習得

ボルトが足の下になってしまったり、 次の一手が取れそうになかったりと厳しい局面では、 誰しも恐怖感を感じます。 恐いと感じると、体は萎縮してしまい、新しい技を出すのは無理になります。 厳しい局面では、自分が一番自信のある技しか使えません。 ですから新しい技を厳しい局面で習得しようとするのはよい考えではありません。

新しい技は、安心できる場所で練習しましょう。 たとえば、 自分にとって簡単なルートや高さへの恐怖を感じないボルダーなどです。 何度も練習し、機械的にその技が出せるようになったら、 次は厳しい局面でその技を使ってみるのです。

たとえば、あなたの限界が 5.10b で、キョンが不得意だとしましょう。 キョンを練習するには、5.9 ぐらいのルートを登ります。 たとえそのルートがダイアゴナルだけで登れるとしても、 なるべくキョンを使って登るのです。 キョンがスムーズにできるようになったら、 次は 5.10a や 5.10b でキョンを使ってみましょう。


ポイント